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16mm映写機の会 地域で上映会を開く
川崎市視聴覚センター(高津区)には約960タイトルもの16ミリフィルムの映像作品が保管されている。中原市民館主催の「16ミリ映写機操作技術講習会」を2019年に受講した金田芳也さん(59)=写真右=は、埋もれている多くの作品があることを知った。上映会で生かせないかと、習修了者9人と、21年に同センターの登録団体として「16mm映写機の会」を立ち上げ、代表となった。
作品は昭和の終わりまでに撮影されたものがほとんどで、現存していない風景やさまざまな習俗が収録されており、種々の催しにも対応できるという。現在は各区市民館の協力を得て上映会を実施するほか、保育園、小学校、老人養護施設などに提案し、映写機や投影用スクリーンも含めての無料の出前上映会を行っている。
アニメ作品の上映では、暗くなった室内で初めて見る映写機の音だけではなくフィルムの匂いにまで園児たちが目を輝かせる。「そんな子どもたちの笑顔が忘れられない」と金田さんは語る。
1964年東京五輪など昭和のニュース映像では、高齢者が腰を浮かせて声を出し「もう一度見たい」と懇願。認知症進行防止効果の一助にもなっている。
センター収蔵作品は登録団体に貸し出されており、分野別・50音別にインターネットで検索できる。団体ホームページはhttps://16mmpa-kawasaki.studio.site/
(2022年3月31日 神奈川新聞掲載 市民記者・齋藤 進)