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多摩川野焼き土器づくりの会 縄文の歴史を伝える
静まり返った週末の川崎市立土橋小学校(宮前区)の図工室。悠久の時を経て縄文の世界が広がる。2007年に発足した「多摩川野焼き土器づくりの会」の月2回の活動日だ。
火焔型など多種多様な縄文土器の複製に挑戦している。自ら編んだ縄で模様をつけたり、手製の竹べらを用いたりと、縄文人の生活を想像して制作する会員たち。「縄文人の豊かな精神性を感じる」と話す目の奥には、先人に対する畏敬の念が宿る。
「1万年以上前から縄文人が大勢住んでいた川崎。その歴史と文化を、土器作りを通して伝えていきたい」と代表の藤井俊治さん(80)=写真右=は語る。
成形後、1カ月ほど乾燥させてから、窯を使わずに野で土器を焼く。拾い集めたまきを燃やし、約6時間をかけて行う野焼き。当初は多摩川の河川敷で行っていたが、現在は市黒川青少年野外活動センター(麻生区)を利用している。2年前には、県立東高根森林公園(宮前区)で土器の展示会を開催し、多くの反響が寄せられた。
現在の会員数は28人。コロナ禍で人数制限をしながら活動しているため、新たな入会は待ってもらっている状態だという。「コロナ収束後には会員を増やし、小学校と連携して親子教室などを開催していきたい」と藤井さん。
連絡先はメールで、(toshi_fujii@t04.itscom.net)へ。
(2022年4月28日 神奈川新聞掲載 市民記者・金子ユカリ)