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あさお運転ボランティアCAP~高齢者の外出を支援
麻生区には高齢者向けの「サロン」が各所にあり、高齢者が楽しく参加している。しかし、坂道が多く、高齢者や障がい者は閉じこもりがち。送迎の足の確保が課題だ。
この課題を解決しようと種をまいたのは地域福祉センター金井原苑の苑長、依田明子さん。昼間は使わないディサービス送迎用の車を活用する案を区の協働事業に応募、受託した。だが、後に共同事業の予算を運転手の人件費に使うことはできないことが分かり、運行に至らなかった。
それでも「困っている人がいるのだから実現できる方法を考えよう」と2011年、資金ゼロで苑の運転手と車で活動を開始した。半年後にはボランティアによる送迎を始め、14年には「あさお運転ボランティアCAP」と命名し、活動を続けている。
活動に参加するに苑の安全運転管理者から研修を受けなければならない。送迎は運転手2人で行い、苑には連絡係1人が待機して運行状況を管理している。これまでに事故は一度もない。
「警察勤務40年でお礼を言われたのは1度だけ。今ではいつも感謝される」。元警察官の安井良衛さんは笑顔を見せる。元コンビニ配送センター長の奥山潔さんは「このノウハウを区全体に広めたい」と話す。2人は活動のリーダー役を果たしている。
(2015年2月28日 神奈川新聞掲載 市民記者・高橋喜宣)