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劇団ちりりん座~芝居を通して自己再生~

演劇の稽古の様子
自分とは違う人生や人格を演じることで、感情を解放し、世界を広げ、自己再生を目指している劇団「ちりりん座」。
主宰の山浦弘靖さん(77)はアニメや映画の脚本を数多く手掛けた脚本家。家族の介護で自宅に引きこもりがちだったが、地元の元気なシニアたちに刺激され、昨年3月、有志5人を集めて劇団を立ち上げた。平均年齢70歳のシニア劇団だ。麻生市民交流館やまゆりを拠点とし、他団体とも協力して介護老人保健施設でイベントを行うなど、活動の場と人の輪を広げている。
この夏はシェイクスピア作品にシニアの声を織り込んだ「背広を着たジュリアス・シーザー」を同館で公演。山浦さん自身も役者として舞台に立つ。
稽古では、所作や立ち位置、せりふ回しについて出演者から活発な意見が飛ぶ。シーザーを演じる牧野克巳さん(66)も、はじめは引っ込み思案だったが、次第に雄々しく声をあげられるようになったという。劇中には観客が一緒にヤジを飛ばしたり、歌ったりできる演出もあり、演者と観客が一体となって創り上げていく参加型の芝居を目指す。
山浦さんは「今後は地域のシニアに加え、40~50代も巻き込み、大人だからこそ演じられる題材や、人情の機微を表現することに挑戦していきたい」と語る。
(2015年8月22日 神奈川新聞掲載 市民記者 佐々木直子)

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