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アミガサ事件100年の会~先人の功績を未来へ~

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昔、多摩川は暴れ川だった。流域住民は築堤を求め国に陳情を重ねるが進展きわまる。1914年9月16日未明、4カ所の村人数百人が八幡大神境内(中原区上平間)など各地に集結、直訴するため県庁を目指した。全員がかぶった目印の笠(かさ)からアミガサ事件と呼ばれる。やがて地域ぐるみの組織的な運動に広がり、群道をかさ上げした堤防を提案。有吉忠一知事が県費で築いた。
今、水害の恐れがなく安心して暮らせるのはこうした先人のおかげ。その功績を未来に伝えていこうと、2013年4月に平間・中丸子地区住民ら16人がアミガサ事件100年の会を設立した。
事件の内容は地元でさえ十分に浸透していない。会員の古老たちは「悪い事件ではないかと思い、子ども時分には聞き出せなかった」「本家のじいさんの勇気ある行動を覚えておきなさいと母親から言われた」と話す。
そこで事件から100年目の昨年、約200人の寄付を集め神社に記念碑を建立した。事件を伝えるため年間数回は講演会(=写真)や史跡散歩などの活動を続けている。小学生用の教材作りや記念誌発行も目指す。
「この輪を次の世代に引き継いでいきたい」と瀬戸美紀世事務局長(75)は語る。9月13日午前10時、八幡大神で、当時の再現と昔話をする101年祭を開催する。
(2015年9月12日 神奈川新聞掲載 市民記者 高橋喜宣)

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