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NPO法人幸まちづくり研究会~体験農園で地域交流
「幸区には緑が少ない。この都市にこそ農のあるまちづくりが必要だ」と、花も実もあり食べられる森づくりを進めているのはNPO法人幸まちづくり研究会。
拠点は、新鶴見操車場跡地の新川崎ふれあい公園。線路沿いの4千平方メートルの細長い砂利の上に粘土質の土をかぶせた荒地だった。2011年、市と住民の協力でドングリから育てたポット苗100本を公園植栽地に植えたのを皮切りに26種120本の樹木を育成。さらに3年かけて開墾し、アグリガーデン(体験農園)をつくった。
土づくり担当は農家出身の佐々木聖一郎さん(73)(=写真左)。膝から下が動かない障がいがあるが、子どもの目線で熱心に話す姿が人気だ。干草と米ぬかの有機肥料を利用し、薬や化学肥料は一切使わない。そのおかげで、収穫だけではなく、四季を通じて約27種類の虫と植物に出会える場となっている。10月、子どもたちはトマトの収穫後に山野草を探して「秋」を見つけている。こうした体験を通じ、嫌がっていたミミズも大好きになり、嫌いなピーマンも収穫して食べられるようになった。
園庭のない地元の保育園児がよく遊びに来るので、「身近な公園で学び遊んでもらおう」と同園にも体験農園を企画した。「自然の中で遊ぶことが子どもの成長に大切。大人にとっても子育ての地域交流の場になる」と代表理事の千葉美佐子さんは語る。
(2016年10月29日 神奈川新聞掲載 市民記者・高橋喜宣)