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久末緑地まゆみの会~谷戸の自生植物守り

緑地の保全活動の様子
「久末緑地まゆみの会」は高津区久末の谷戸(やと)で自生の植物を守る活動を16人で行っている。
久末緑地は丘陵地が浸食された約1ヘクタールの谷あいにある。高台ながら湧水が流れ、55種類の樹木の中に100種類以上の野草が自生。川崎であまり見られなくなった珍しい植物も、環境が整うにつれて発芽している。
この地は1972年に産業廃棄物処理場用地として売却され、住民の反対運動で取り戻した歴史がある。76年には環境庁が県内初の「特別緑地保全地区」に指定し、市が購入整備した。同時に愛護会ができ管理することになったが、徐々に管理の手が回らなくなり、暗くごみだらけで人がほとんど入れない状態に荒廃していった。そこで2007年、住民の話し合いの中で新しい会が発足した。
「森のものは森に残す」が会の原則。竹や木は遊歩道の柵や垣根に、草や落ち葉は堆肥に利用している。分からない植物は抜き取らず図鑑で調べる。一方で他の植物の生育を妨げる帰化植物などは、自生植物を守るため手で抜いている。そうした手間のかかる活動を積み重ねた結果、今春「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰を受賞した。
「難しい課題ではあるが、今後とも多様な植物や生物を維持していきたい」と会長の大和田好夫さん(61)は話す。
(2013年9月14日 神奈川新聞掲載 市民記者・高橋喜宣)

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