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芽の字会~分かりやすい点訳を

定例会の様子
点字サークル「芽の字会」は、視覚障害者が必要とする生活情報や読書の楽しみを提供している。川崎市北部身体障害者福祉会館(高津区)を拠点に1982年から30年以上続く活動には、「読書は楽しい」「一人でこつこつと作業できるのがいい」という70人の会員が集い、「人の役に立てるなら」と気持ちを合わせている。
「分かりやすく間違いのない点訳を全員が共有している」と塚越かよこ会長=写真=はいう。月4回の定例会は互いの疑問や進み具合を相談し合う場になる。指でたどる点字を読みやすくする工夫の一つに「分かち書き」がある。意味の区切で一マス空ける。どこで空けるか点訳前の原本の読み込みと理解、仲間とのすり合わせが大切だ。

パソコン点訳が普及しローマ字入力も可能だが、確認作業で読み返すときの目を養う点字モード入力が会の約束だ。入力作業や下調べは時間と集中力が必要なため自宅で行うことが多い。「共感し理解してくれる家族の支えがうれしい」と会員たちは話す。
依頼を受けた点訳物を手渡し、読み終えた利用者からの感謝の言葉を耳にするとき「こみ上げるうれしさで心が満たされます」と塚越さんは言う。「点字で『文章を読み、味わい、深く考えたい』という人がいる限り、私たちは活動を続けたいです」と語る。
(2014年3月15日神奈川新聞掲載 市民記者・小島博記)

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