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NPO法人ぐるーぷ麦~若年認知症に理解を

創作活動で五感を刺激する「脳トレアート」を行っている様子
65歳未満の若年認知症患者は全国で推定4万人。働き盛りの人が仕事や子育てなど社会的役割を失っている。しかし、若年認知症患者を専門的に支援している施設は少ない。高齢者と同じ扱いをされ、自尊心を保てる環境でないことが、症状を悪化させるのではないとも考えられる。
代表理事の吉田歌子さんは、認知症のしゅうとの看病をきっかけに、高津区で初めての認知症家族会を設立。その相談の中で若年認知症に向き合った。そして2005年、こうした若年認知症を地域ぐるみで支援する「ぐるーぷ麦」を設立した。
本人と家族の支援、啓発活動に向け、区の協働事業に応募し事業を定着させ、その後、NPO法人化。10年、空き店舗活用創業支援事業を活用して「b-cafe麦」を開設、翌年に介護保険事業に着手、若年認知症に特化した通所介護所にした。相談会や家族交流会も行っている。
現在、週5日のデイサービスを行い、脳を活性化する取り組みにも力を入れている。「脳トレアート」はその一つ=写真=。臨床美術士が創作活動で五感を刺激し、意欲と達成感を引き出す。作品は毎週展示される。
「これまで壁にぶつかるごとにチャンスだと思い活動してきた。今後も安心できる居場所づくりに努めたい」と吉田さんは話す。
(2014年11月22日 神奈川新聞掲載 市民記者・高橋喜宣)

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