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児童の農業体験サポーター 小嶋靖夫さん~稲作のこつ 児童に伝え
多摩区菅の小嶋靖夫さん(63)の田んぼには春と秋、児童の歓声が響く。小嶋さんは近隣の小学校2校の児童が稲を育てる学習に協力している。農業を手伝う息子の智司(さとし)さん(24)が5年生の時からの活動だ。
児童は、苗床づくりから田植えへと手順を踏む米作りを体験する。泥に足を取られて苗をまっすぐに植えることが難しい。秋の稲刈りでは「鎌はこうやって使うんだよ」とやってみせると、「小嶋さんの言う通りにしたら、上手に刈ることができました」と喜ぶ声が聞こえた。稲は両手でつかめる太さに束ね、ハザ掛けして干した。
昨年12月の収穫祭で、児童は餅をつき、わらを2人で協力して撚(よ)って束ね、しめ縄やリースを作った。「来年はうちの子が行きます」と保護者も楽しみに待っている体験学習だ。卒業生には、ふるさと菅の思い出になっている。
小嶋さんは「子どもたちが喜ぶし、親御さんから予約がくるんだよ」と協力を続けている。お餅もリースも思い出も、田んぼと、協力を惜しまない人の準備から生まれる。その田んぼに今年、どんな歓声が響くだろうか。
(2011年1月8日 神奈川新聞掲載 市民記者・小島博記)