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朗読ボランティアグループさんざし~声で届ける情報と笑顔
わずか1割…「意外でしょ。実際、点字を使いこなせる人はこの程度。視覚障がい者の頼りは耳なの」。そう語る武村桂子さんが代表の「さんざし」は、外出が困難な彼らの支えとなっている。本や新聞、地域・生活情報をテープ録音して無料で郵送している=写真=。そして、盲人を問わず特に好評なのが、活動の原点である出前朗読だ。
施設で暮らす、ある高齢者は訪問に目をキラキラと輝かせる。自然と顔もほころび、会話も弾む。また、ある入院患者が退院後に会員となった例も。みんな、情報だけでなく、人とのふれあいに飢えている。
武村さんは、「本当に地道な活動ですが、『ありがとう、楽しかった。また来てね』という言葉に逆に私達が励まされます。今後は、デイジー図書(CD-Rによる音声情報)などデジタル化も推進しつつ、少しでもお役に立てれば」と語る。
さんざしが届けるのは、単に情報だけではない。外の世界の息吹に触れる喜びを「声」で相手の心に運んでいる。会員と共に手を取り楽しむ利用者の満面の笑みが、そう物語っている。
(2009年3月7日 神奈川新聞掲載 市民記者・橋本聖悟)