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川崎・多摩美の山トラストの会~広がる森を 次の世代に
読売ランド前駅の北、多摩と麻生両区に広がる森は豊かな自然を残している。この一帯「多摩美(たまみ)の山」を、次世代に残そうと2009年、「川崎・多摩美の山トラストの会」(岡村克彦代表=写真=)が設立された。
岡村さん(76)は40年前、緑の中で子育てをしようとこの地に移り住んだ。森の中の住宅地だった。森は今、住宅地に囲まれるまで小さくなった。「森は子や孫たちのもの。我々の世代でこれ以上減らしてはいけない。だから、自分たちに今できることを始めたかった」という。
突然の宅地造成の実施、森を横切る道路の計画など、森が減り続ける原因は後を絶たない。03年には、斜面緑地へのマンション計画が起きた。その後6年間の斜面緑地保全活動の輪が「トラストの会」設立の土台になっている。点在する民有地を虫食い開発から守るため、「市民主体の募金による保全活動はこれからが本番」。市民と行政の協働によるトラスト基金の設立が目標だ。
「子どもたちが走り回れる、ふるさとの森を残したい」。その思いは岡村さんたちの、森の減少への反省と活動の力になっている。
(2010年10月16日 神奈川新聞掲載 市民記者・小島博記)