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二ヶ領用水・中原桃の会~市民が残す 風物と歴史

剪定作業の様子
中原は大正・昭和と桃の一大産地だった。二ヶ領用水・中原桃の会(田島信二会長)は、この桃の里だった風物を後世に残し、二ヶ領用水を保全し、花桃を育てる活動を行ってきた。最盛期6万5千本あった桃の木が、戦時下の食糧増産政策のため切り倒された。
その復活のため、第3京浜高架下から小杉町・総合自治会館までの約3㌔の用水沿いに、25年間で約700本の花桃を植えた。消毒や剪定(せんてい)が欠かせないため、市との協定書と合意書を基に、残存する約300本の自主管理作業を第3日曜日に行っている。
「新芽にしか花は咲かないからと大枝を切ったら、近所からなぜ切ったと苦情が出た。その後、見事に花が咲き、ご納得いただいた」と同会のプロジェクト21・石子秋夫代表は言う。
今年2月、当時の桃の里を伝える「むかし、中原は桃の里」(120頁)を再刊した津脇梅子副会長は、「本をきっかけに“ももの里”という名前の保育園が今春誕生した。そのことが一番うれしかった。市民が行動を起こし、情報を発しないと、歴史も用水も残らない」と語る。
連絡先は津脇さん 電話044(722)8093。
(2010年11月6日 神奈川新聞掲載 市民記者・高橋喜宣)

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