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ハナさんハウス~やりたいことに合わせ
「老いても元気で楽しく」という池田ハルミさん(代表)の思いが詰まっているのが、川崎区にある高齢者の遊び場「ハナさんハウス」だ。持ち家を開放しているので、友人の家に来たような親しみがある。
中をのぞくとパソコンを前に男性たちがキーボードをたたいていた。今日はパソコン塾の日=写真。決まったカリキュラムやテキストはなく、「息子にメールを出したい」「年賀状を作りたい」など自分のやりたいことに合わせて授業を進めていく。自分史を打ちながらポツリポツリと過去の戦争体験を語りだす男性もいる。隣の部屋では三味線の音と女性たちの陽気なうた声。お茶を飲めば誰かが茶わんを洗い、ガスの元栓も閉める。いつの間にか決まったのだ。
個人運営なので大変だが、その分地域の人たちによる無償の手助けがある。催しは、口コミやパンフレットを配って知らせる。講師も知人だ。近所の主婦が掃除と戸締りをしてくれる。池田さんの周りには自然と人が集まってくる。「私は何もしていないのよ」という言葉に地域の人たちは、池田さんの苦労を感じ取り自分たちにできることをして支えている。
(2005年7月2日 神奈川新聞掲載 市民記者・高木春子)