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NPO法人「定年よ大志を抱けの会」~働きがいある人生を
東急田園都市線・二子新地駅から多摩川沿いに歩くと白い建物が見える。その1階、8畳ほどの一室で電話が鳴る。「ええ、そうです。資料を取りに来られますか」。関西弁交じりに田宮誠理事長(66)=写真=が応える。特定非営利活動法人(NPO法人)「定年よ大志を抱けの会」の事務所だ。
8年前、田宮さんは会社員の傍ら、横浜商工会議所主催の講師をしていた。テーマは「市民起業」。反応はよかった。その時、商議所の人から「起業支援する会をつくってくれ」と相談され、ささやかな起業塾をつくった。
大手繊維会社時代は働きバチの人生だった。いくら頑張っても努力は報われない。50代で4回のリストラにあい、組織で働く違和感を常に感じた。「充実感のない人生はご免だ」。2000年には自らも社員研修と自己啓発の会社を立ち上げ、04年には起業塾をNPO法人「定年よ大志を抱けの会」にした。
会社に縛られずに多くの人の役に立ちたい。この6年、会社人生だけではない働きがいを再発見している。「リストラしてくれてありがとうだね。やりたいことは山ほどある。まだまだ夢いっぱいだよ」。新しい構想を語る目は生き生きとしている。
(2006年2月11日 神奈川新聞掲載 市民記者・三木規伊)