文字サイズ 背景色

ホーム最新ニュース一覧 > 市民発 >おかし工房しいの実~お菓子作りで働く喜び

おかし工房しいの実~お菓子作りで働く喜び

店舗外観の写真
「さあ、大きなボウルを用意して、クッキー作りますよぉ」 と指導員の明るい声。
ここは、中原区木月伊勢町にある社会福祉法人「しいの実会」が運営する「おかし工房しいの実」=写真。作業所のオーブンから香ばしい香りが店にも広がる。
白衣にマスク、調理用の帽子をかぶった利用者たち26人が働く。直径40cm程のアルミのボウルに、砂糖、バター、卵を入れる。小麦粉を加えこねて生地ができる。これを1人ですべてこなす。
数字が苦手な利用者には工夫をしている。計量カップは、分量の70ccのところにフェルトペンで印をつけておく。計算しやすいように商品はすべて100円の袋詰めにした。施設長の野村喜代美さんは「どんどん上手になって」と目を細める。
基本給は月1万円前後。ボーナスも年2回出る。そのお金で、SMAPのCDやサッカーのユニフォームを買う人。母親に「ラーメンをおごったの」と、はにかむ人。自分で働いたお金を使うのが楽しい。
口コミで注文も増えた。保育園、幼稚園の催し、パチンコの景品にも使われるようになった。「すこしでも多くの給料をあげたい」。しいの実の人たちの思いだ。
(2006年4月1日 神奈川新聞掲載 市民記者・高木春子)   

(C) 2022 公益財団法人かわさき市民活動センター 
市民活動推進事業