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麻生おりづるの会~和の文化継ぐ折り紙
1枚の和紙から紅葉や桜、動植物、寺社などが折りだされる。下書きした模造紙の上で和紙の素材や色柄、配置を換えながら風景画を制作していく=写真。「折り紙は飾り方で印象が違ってくるの。平面的な紙を立体的に演出することもできるから飾り方の工夫も楽しめるんです」と「麻生おりづるの会」代表の中嶋磋智子さんは穏やかに話す。
原点は中嶋さんが配食グループ柿の実会にいたころ。お年寄りの誕生日に折り紙でつくったカードを添えたところ、それが評判を呼び、知り合いの「ボランティアにしてみたら」の声で始めた。以来、「ただ折り紙を楽しみたい」と23人が分担して障害者や老人施設、こども文化センターを訪ねる。
子どもにはトトロやピカチューといったアニメものを、障害者施設では動物や花を折り、台紙にした牛乳パックの上に飾る。お年寄りには友禅和紙でやっこさん、鶴などを教えていく。折り上がった時に「まぁ~」と感激されると「私たちまで嬉しくなってしまうの」と中嶋さんはほほ笑む。
来年で10年。その節目にと春夏秋冬を描いた「ふるさと麻生八景」の制作に打ち込む。「麻生区の歴史ある風景を和の文化である折り紙で形にしていきます。折り鶴のように長い命で受け継がれていくように」との願いも織り込めている。
(2006年9月2日 神奈川新聞掲載 市民記者・三木規伊)