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U50   第6回 伊早坂 遥さん

アンダー50として、2018年から2024年3月まで、
50才未満の若手市民活動家へインタビューを重ねてきました。
「活動を始めたきっかけや思い」など、
62名それぞれの軌跡が
多くの方々へのエールになるよう願っています。

伊早坂 遥 さんプロフィール

第6回 伊早坂 遥(いはやさか はるか)さん(愛称 シチューさん)
トビラ株式会社 取締役 中原区在住

いろいろな肩書きをお持ちですね。

去年立ち上げた会社の他に、NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント理事、かわさきFM「かわさきショウタイム コスギスイッチON!」の番組プロデユーサー、武蔵小杉のマルシェや盆踊り大会の実行委員、幸区のNPO法人はたらくらす理事などを引き受けています。これは、どれも関連性があり、武蔵小杉と武蔵新城と幸区の3つの地域の、より良い町づくりを目指し三本立てで平行して活動を進めています。

その活動のきっかけは

横浜出身の私ですが、素敵なシェアハウスとの出会いがあり、4年前に川崎市幸区に引っ越しました。このとき、幸区民になって1週間足らずの私に、武蔵小杉在住の知人でコスギフェスタの座長である山中佳彦さんから「あと2週間しかないけど、フェスタの会場装飾を手伝ってくれない?」と、突然お声がかかったのが全ての発端です。これから他のエリアマネジメント行事や商店街のイベントなどに、どんどん外部スタッフとして参加、お手伝いが広がっていきました。
 小杉周辺のタワーマンションや商店街、また町内会の方々と親しくなるにつれて、色々な課題も見えてきました。タワーマンションは財源負担構造が、商店には地価高騰化が、町内会には高齢化です。エリアマネジメントの理事になってほしいとオファーが来た時は、さすがにマンションの住人ではないのでいったんはお断りしましたが、もっと三者が深く話しあうことで一丸になれるのではと思い、2016年から理事をお受けしました。

武蔵小杉での活動と目的

武蔵小杉エリアでは、大きく言えば、2つの年間行事と2つの広報活動を推進しています。まずは盆踊り大会です。10年前、再開発地域である武蔵小杉に高層マンションが林立し始めてからは、再開発地域の盆踊りはいったん中断されました。タワーマンションに住まう主な層はリタイア組の夫婦、共働きの若夫婦です。今やこの若夫婦から生まれた子どもたちは、もともと工業地帯であった平地に建ったこのタワマン周辺が故郷になるのです。この盆踊り大会も10年、20年と続けていけば、それが思い出深い「故郷の行事」となりえると、4年前に盆踊り大会を復活させました。今年も2日間で3万人の人出で、愛されている祭りの実感がありました。安全面の確保に気を配っています。
 次にコスギフェスタです。これは10万人規模の来場者を集める小杉最大のお祭りです。駅前広場がステージになり、公道で運動会が行われます。警備費やボランティアの募集などいろいろな課題もあるのですが、ハロウィンのときのママ手作りの衣装を着た嬉しそうな子どもたちの顔を見ていると、疲れも吹っ飛びます。
 このフェスタがきっかけで、ラジオ局・かわさきFMで武蔵小杉をはじめ、川崎の今を発信する番組をプロデュースすることになりました。フェスタのときの司会を番組のパーソナリティーに迎え、ゲストは小杉周辺の地域活動に関わる人々です。ゲスト本人の声で、地域情報が聞けます。また、エリアマネジメントの広報誌「こすぎの風」は、エリマネ活動報告も兼ね、小杉関連の特集記事を組んだりして、編集に携わっています。このような広報活動は、地域のいろいろな課題や問題点を解決していく目的に向かって、その糸口にもなり、住みやすい町の環境作りに繋がるのではと思っています。

印象深いイベントの思い出は

地域のイベントや団体の自立という観点で手ごたえを感じられたのは、2017年6月の「まんなかフェス」です。こすぎコアパークでママたちによる企画、宣伝、運営で、キッズと一緒に楽しめるフェスを初開催、二日間で2万7千人を動員しました。川崎市、川崎市の教育委員会、川崎市幼稚園協会、川崎市保育会に後援いただき、30社の協力・協賛企業も加わり、集客力を実感したママたちも大満足でした。そして、それだけで終わらなかったのが、ママたち一人一人がその運営ノウハウを掴んで再度、自分の地域に持って帰り発信したことでした。

メンバーの雰囲気は

複数の組織に所属し、年間を通して各地域で様々な企画に携わっています。武蔵小杉や武蔵新城、幸区の町づくりメンバーは三者三様、全く違った特徴がありますね(笑)。小杉メンバーは、予算や担当に関して論理的で合理的、次々と話が決まる仲間たちです。メンバーもタレント揃いですよ。
 新城メンバーは、中心にいるのが昔からの地元住人なので、商店や住民の関係性や経緯が大切にされています。
 幸区メンバーは、若い人たちが新たに企画や団体を立ち上げて、まさにこれからという動きが次々に湧き起っています。面白いこと大好き、なんでもやってみようという気概を強く感じています。

シチューさんが愛称なのは

よく「なぜ?」と聞かれます。「シチュー料理が好きだから」と思われているようですが、実際は単純に「見た目が白かった」からです(笑)。高校時代、流行の白のルーズソックスに、白のポロのカーディガンを着て、白の運動靴を履いて、長い毛を金髪に染めて本当に当時は色白だったのですよ。だから、遠くから見ると上から下まで真っ白で、ホワイトシチューのイメージから、あだ名が付けられました。今や、外のイベントで腕なんか日焼けで真っ黒ですが(笑)。

どんな学生時代を

兄弟は兄と妹の真ん中で育ちました。7歳下の妹とは小さいときは歳が離れ過ぎていて、ケンカばかりしていましたが、今は可愛くてしょうがないですね。  生まれも育ちも横浜で、家の近くの男女共学の高校に通いました。すでに10代の頃からの趣味がシティホテルに泊まることや、美味しいものを食べることにお金を使っていました。シティホテルには多い年では100日以上は宿泊しました。

これからのこと

新しいことに目を向けることも大切ですが、同時にこれまで継続されてきたこと、今あることを継続できる形にしていくことを考えています。企画、運営、施工等の技術面の協力、財源のことなど。

最後にメッセージを

横浜市から、ここ川崎市に引っ越してきたときは、ほとんど友人ゼロからの出発でした。毎年のイベントも、最初は初対面の人ばかりでしたが、私は人に対して性善説的に「悪い人はいない。衝突やすれ違いを経て、互いの違いを理解した上で相乗効果がある」と考えて行動してきました。振り返ってみると、今、私のまわりには、そういったセッションができる仲間がいっぱいいます。。
 美味しい料理が好きで、ホテルが好きということは、何でも「演出」「ホスピタリティ」「人を喜ばせたい」、そういうことが私の原点なのでしょうね。

お問い合わせ

■ラジオ コスギ スイッチON!
radioksg.com

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stew@radioksg.com

次回のエースは皆川智之さんです。

皆川智之さんへ一言

川崎の魅力はその「猥雑さ」にあるのではないかなと個人的に思っています。川崎駅が商業施設のリニューアルによって明るく整然とした姿になっていく中、一方で変わらず残る風俗店街や客引き、日雇い派遣の方々の姿。そういった路地を歩く時、これこそ川崎の街のひとつの有り方ではないかと、勝手ながらに無くなって欲しくないなと繰り返し思います。皆川智之さんの活動は、そんな街や地域に根差しています。自分の生き方が少し違ったら、あるいは何かの拍子に明日、職や家を失うことは誰にでも充分に可能性があることです。路地を歩く時、もしやともうひとりの自分を想像します。そんな私の助けになるのが皆川さんの活動で、皆川さんの目はいつも優しく温かいです。

平成30年7月24日取材 レポーター 町田香子

バトンを受け継いで 伊早坂 遥 さんへ一言

シチューさんを通して、川崎市のいろいろなことを知りました。現在もシチューさんとの横の連携プレーで、多くの活動を進めています。これからも、彼女の背中を見ながら私も頑張ります(笑)。

(C) 2022 公益財団法人かわさき市民活動センター 
市民活動推進事業