文字サイズ 背景色

ホーム調査研究>調査研究

調査研究

新型コロナウイルス感染症防止に係る団体活動への影響等調査結果


1 調査概要

(1)目的
 2020年2月に出された新型コロナウイルス感染症防止によるイベント等の自粛要請により、市民活動団体が行う事業にも大きな影響が及んでいることを受け、その実態を把握し記録として保存するため。また今後の支援方策等に生かすため。

(2)内容
 市内の市民活動団体が新型コロナウイルスの影響による被害(イベントの延期や中止など)の実態、および新たに行った支援活動などの状況を、電子メールでのアンケート調査によって集計する。

(3)調査期間
 2020年3月下旬(回答期限は3月31日)

(4)調査対象
 センター利用登録団体のうち、メールアドレスの記載がある団体(487団体、3月15日現在)

(5)設問内容
 新型コロナウイルス感染症防止に係る影響の有無、影響のあった内容・期間、損害の規模、新たな取り組み


2 回収結果

 回答数:123団体
 回答率:25.3%


3 アンケート調査結果

【設問1】貴団体の事業で、新型コロナウイルス感染症の影響によって、中止・延期・縮小などの対応がありましたか。(n=123)

あった 113団体(91.9%)
なかった 10団体( 8.1%)

【設問2】影響のあった内容は何ですか。(前問で「あった」と答えた団体のみ)

  中止 延期 縮小
事業・行事 87団体195事業 13団体14事業 5団体6事業
例会・会合 31団体40会合 7団体14会合 3団体4会合

《回答内容》(自由記述、一部抜粋、編集済み)

○イベントを中止したため、各方面への連絡等に大変な時間を要した。
○会って話すことを大事にする自助グループなので、個別に相談がある場合のみ、メールや面談をしている。
○活動先の特別養護老人ホーム、高齢者住宅などが訪問禁止処置を取っているため、活動ができない。
○日本語教室の会場が使用禁止となった。日本語は継続性が大事だと思うので、LINEや電子メールで補完を図ったが、機器に不慣れな方もいて軌道に乗せるために多大な時間がかかった。
○妊婦さんを対象にしたお茶会を中止にし、初の試みとして希望者のみ電話相談を受付。
○活動が屋内で、メンバーも高齢者が多いため、延期または中止せざるを得なかった。
○年度末の活動集計などの滞りや、郵送連絡による予定外の経費負担があった。
○社会福祉協議会の助成金を受けて、地域の介護・福祉事業所などを訪問して取材し、ホームページやSNSで情報発信する事業で、訪問取材ができない状態。
○新年度スタートの遅れ、総会準備の遅延(総会の中止検討とその対策の検討)。
○2020年度事業の検討が当面保留となった。
○6月開催のイベントでステージ出演の予定だったが、練習再開の見通しが立たないため出演を辞退。
○4月末の通常総会をオンラインでも参加可能にする予定。
○イベントの集合形式での開催が困難になっため、オンラインで実施することになった。
○例会は「オンライン推奨」で、会場+オンラインの「ハイブリッド例会」として開催。
○運営している福祉事業所で、在宅支援が認められる前から自主待機していた利用者分が減収になった。
○イベント延期とともに、協賛企業からの協賛金自粛により資金難。
○外部からの制作発注の予定がなくなり、収入が得られなくなった。
○公演中止のため、寄付者へお詫び状を郵送。

 

〔そのほか中止になった事業(抜粋)〕
・視覚障害者へのパソコン学習会
・大人のためのおはなし会
・科学実験教室
・うたごえ広場(いこいの家)
・健康教室
・寺子屋事業(小学校)
・ダンボールコンポスト講座
・耳の日の集い
・手話勉強会
・傾聴活動
・日帰りバスハイク
・こども食堂
・自然体験教室

【設問3】事業の中止・延期・縮小により被った損失(得られたであろう成果と収入)があれば。

 

《回答内容》(自由記述、一部抜粋、編集済み)
○イベントを通しての普及活動ができなくなっている。
○講座中止により新たな実践者を発掘できない。
○小学生の参加者に科学の楽しさを伝えることができなかった。
○災害時における対応を共有する機会。
○シニアの生きがい。
○住民間のコミュニティ形成の機会が損なわれた可能性があり、長期間休みだと、参加しようとしていた士気が下がってしまったのではと考えられる。
○継続開催で盛り上げてきた参加者とのつながりが希薄になる。
○現在までで会費約70~80万円の損失。
○子どもたちの自然体験教育活動における学習機会・成長の機会が損なわれた。
○草の根の活動を行っているので、会の知名度を上げ、ネットワークを広げるチャンスにもなる講座の機会を失うのは痛手で、経済的にも約3万円の収入減となった。
○講習会の実施が3回減少したことで集客実績がおよそ60名減少した。
○外国人の日本語学習の機会が制限された。
○日本語学習の継続性を補完するため電子メールでの作文教室を始めたが、生徒の理解の深化が難しいと思われる。
○目標としている活動成果が得られない。
○介護福祉のサポートをオンラインで行うのは現状では非常に困難。オンラインが使えない活動分野が介護福祉。
○イベント中止での売り上げがダウン。
○開催回数が減少すれば、1回当たり約5万円の収入が減少する見込み。
○研修旅行の中止によりキャンセル料として31万円の支払いが生じた。
○プロの舞台出演者と契約していたので支払い等の負担があった。
○経済的にはイベント案内などのチラシ作成、送料の経費。労力では今後の対応や、会場取り、企画の組み直し作業。
○経済的なことよりも、継続性が一旦ストップすることが今後にどのように影響するか懸念される。
○健康維持のために通っている会員も多く、休みが長くなると運動不足による体調不良、人によっては外部との接触がなくなり会話不足による認知機能の衰えなども懸念される。
○外出を控えるようになった高齢者が退会された。
○受注していたマンション内のイベントが無くなり収入もゼロに。本当に厳しい状況。
○メンバー同士、会って話すことができないので、LINEや電子メールを活用しているが、電話のみのメンバーもいたり、時間がかかるし、上手く伝わらないこともある。また、学校が休みで、子育て中のメンバーが多く参加しにくい場面も多々ある。金銭的なマイナスは考えないようにしている。
○今回の公演演目は福島の原発事故に関連する内容であり、時間と共に忘れられがちな福島の悲劇を訴える機会でもあったが、できなかった。
○難聴者は、口元や表情を見てコミュニケーションの助けにしている。マスクを使用することは感染予防に大事なことですが、それに代わる筆談などの支援がなく、日常生活に窮している。
○損失はありません。
○とくになし(伝達事項等についてはグループウェアを使用)

【設問4】新型コロナウイルスによる影響を受けつつも、新たに取り組んでいることがあれば。

ある 31団体(25.2%)

《回答内容》(自由記述、一部抜粋、編集済み)
○会報の発行を通して、会員同士がつながればと思っている。
○趣味の教室の受講者に対して、手紙を出したり、宿題を送ったりしている。
○オンラインの配信などを検討したい。
○定期公演ができなかったので、ライブ配信に切り替え。
○ネットを利用してのミーティング、研修などを計画中。
○オンライン会議システムを用いたオンライン開催および新規ゲスト受け入れ(オンラインによる見学)。
○オンライン参加を可能にした。
○通常の活動に参加できない母親向けにオンラインでのレッスン(ストレッチ)実施と、その録画を配布(自宅で実施)。
○オンラインで子ども向けの無料コンテンツを提供している他団体とのコラボによるプログラムを、複数回に渡って実施している。
○オンライン会議などの使い方で支援を求めている団体があれば、当方でサポート可能。
○イベント中止による時間があるうちに、次の事業に向けて作業を進めようと考えている。
○ひとり親家庭等への食糧支援を行っている。
○休校により生徒会活動ができず困っていた高校生から相談があり、対象者限定でスペースを開放した。
○子どもの預かり保育(若干名)を含めた例会の開催。
○ホームページ上に現在の掲示板の他、パソコン・スマホ相談コーナを掲載予定。
○利用者に手作りマスクを1人2枚ずつ配付し、スタッフへも希望者に手作りマスクを配付している。
○子どもの見守りのお手伝いや簡単な家事代行サービス。
○環境の良い屋外での活動は、ストレス解消ともなり、少人数でのトレーニングは積極的に自主トレとして推奨するとともに、バランストレーニングの方法などを配信し、自主的活動を促す。
○親子向けに「手作りマスク」を作るイベントを口コミで開催。
○ハンドメイドのマスクを製作・販売。
○子ども用マスクを売っている店を見つけ、情報発信をした。
○川崎の障害施設に古着となったスポーツウェアの提供およびボランティアの派遣要請を打診。
○会食形式からお弁当に変更し対応していく予定(こども食堂)。
○室内遊びの提案をする予定。
○小学校で読み聞かせを行った。
○フードバンクに現金を寄付した。
○外国につながる子どもたちに新型コロナウィルスについての学習会を開催。何が怖いのか、マスクの効用や手洗いの仕方など。

(C) 2022 公益財団法人かわさき市民活動センター 
市民活動推進事業