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U50   第33回 もりまさのさん

アンダー50として、2018年から2024年3月まで、
50才未満の若手市民活動家へインタビューを重ねてきました。
「活動を始めたきっかけや思い」など、
62名それぞれの軌跡が
多くの方々へのエールになるよう願っています。

もりまさの さんプロフィール

もりまさのさん

「にこにこあおむし人形劇団」代表
「縫工房Silk」代表
高津区在住

「にこにこあおむし人形劇団」とは

もりまさのさん

人形劇との出会いは約20年前。
友人に誘われた宮前区のアマチュア人形劇団へ参加したことでした。学生時代に被服を専攻したことが役立ち、劇の人形作りや舞台衣装なども手掛けました。
「にこにこあおむし人形劇団」立ち上げのきっかけは、東日本大震災の時です。友達や身内が被災してしまい、とても気持ちが落ち着かない時期がありました。そのときに「今だから、何かやろう!」「そうだ、人形劇を使って自分のできることをしよう」と、ママ友4人ですぐに活動を始めました。劇団名は「ひらがな、明るい感じ、わかりやすい、少し長めが印象に残る」など色々とイメージを重ね、親しみやすい「にこにこあおむし」と決めました。

私たちの人形劇の特徴は参加型であること。
いろいろな演目がありますが、できる限り人形達が観客の中に入っていくことにしています。演じる者と観客の一線をなくして、両者が一緒になったという実感を大切に、「置いてきぼりの気持ちになる観客を1人も作らないこと」をモットーにしているからです。
このようなプログラムの流れは、以前の人形劇団での経験から、「なぜ、人形使いは黒幕の下で隠れて演じるのか。観客と目を合わせて語りかけても良いのでは!従来の型にはまっている人形劇を一度ひっくり返してみたい!」という積年の思いの結果です。劇を観せるという強制感をなくし、一緒に楽しい場を作りたいという気持ちが根本にありました。

ワークショップと本番風景2

今年で発足10年目ですね

人形とともに

本当にあっという間ですね。最初の3年は、公演の場数を踏むことと、披露する作品も増やすことに力をいれました。そのため月1の頻度で定期公演を開催しました。とにかく12ヶ月間、毎月新作を出すと決め、たくさん作品を生み出しました。
また、出演者やその家族の体調不良など、いつ、誰が休んでも代役が務まるように、また一人が責任を負わないようにと、役割分担を回せるような組織作りをしました。次の3年間は、作った作品を深めること、自分たちの力を伸ばしていくことに力を注ぎました。おかげさまで、去年までの3年間で培った様々なご縁で、少しずつ活動が広がり、保育園や小学校での公演回数も増えました。

いつも感じるのは、どんな場所で公演しても「子どもは、とにかく可愛い」ということです。子どもの中には公演中、夢中になるあまり、人形と一心同体になり騒ぐ子もいるのですが、注意することなく見守ります。子どもとのライブ的な掛け合いで、ストーリーが変ってしまうこともあるくらいです(笑)。初めて人形劇を観る子に「ダメよ」の禁止の言葉はいらないと思うのです。にこにこあおむしでは、いつも主役は観客であり、観客にどんな風に人形がうつるかを意識し、勢いのある劇か、楽しめる劇かどうかを意識してきました。社会問題は扱わないと仲間内で決めています。やはり人形劇は夢のある世界のお話ですから。

ワークショップと本番風景2

公演の他にワークショップにも力を入れてきました。子どもたちに人形を作らせて、人形を通して自分の想いを話すことが目的です。
人形といっても、発泡スチロールの筒に顔を描いて割り箸を刺した簡単なものですが、帰るときにそれをぎゅっと抱きしめている子を見たときは感激しましたね。なかなか話せない子でも、1時間もたつとポロリとひとこと本音が出ます。きっと、人形を通してなら話す勇気が出るのでしょう。私たちも勉強になることが多いですね。たくさんの子に体験してほしいです。

残念ながら、去年1年間はコロナの影響で、3月から活動中止に追い込まれましたが、年末からは、またオンライン動画や紙芝居イベントの参加依頼など、今年3月までのイベントが目白押しです。

最後にメッセージを

動画撮影と練習風景

私がこの人形劇団を10年も続けられたのは、「今日のことしか考えない」というシンプルな考え方をしていたからだ思っています。
また、毎回、公演の前日は緊張感で憂鬱になるのですが、公演終了後の「あーっ、やってよかった!」という嬉しさの積み重ねがあるからですね。これまで、特に困ったことも無かったと言えるのは、忘れっぽいタイプだからでしょうか(笑)。良い仲間に支えられてきたと思っています。4人で発足したメンバーは多いときは10人、出入りはありますが、今は8人で落ち着いています。いつもメンバーたちとは息もピッタリなのですが、個人的なことには触れないので、そこが長続きの秘訣だと思います。

実は、私の本業は縫い物です。舞台衣装などを作る仕事を通じ、市民活動として多世代交流カフェで「桂プロジェクト」という取り組みも毎週開いています。この縫い物カフェは、子育てが終わった人や妊婦さんなどが肌着を縫って地元の人たちと交流する場です。この立ち上げも全て「人を集めて楽しいことを一緒にしょう」という自分の得意分野のなせる技だと思います(笑)。

自分の活動を通して自身が変わったと思うのは、かなり積極的な性格になったことです。小さいときは、本ばかり読んでほとんど人と話せず、心配されるような子でした。
今、一番驚いているのは親ですね(笑)。私と一緒に何かをしたら「楽しくて、また会いたいな」と思ってくれたら最高ですね。そんな人になれたらなって思います。
3月に、わたしの友人が主催するあらら企画さんの人形劇に参加します。新百合ヶ丘のアルテリオで「このゆびとーまれ!」を人数限定で公演予定です。ご期待ください。

お問い合わせ

nomaccha55thanks@gmail.com
もりまさのさん

2020年1月5日取材 レポーター 町田香子

次回のエースは「新川崎タウンカフェ」店長 岩川 舞さんです。

「新川崎タウンカフェ」店長 岩川 舞さんへ一言

もりまさのさん

どんどん、社会的役割りのフィールドが広がっていますね。ステキな舞さんの優しさとパワーで川崎を盛り上げてください!

バトンを受け継いで もりまさの さんへ一言

いしかわまいさん

出会いは近所のカフェ。そこでまさのさんは、大人のための絵本のおはなしかいをしていました。明るい人柄と、楽しそうに新しいことにチャレンジする姿、会うたびに元気をもらえる人です!

(C) 2022 公益財団法人かわさき市民活動センター 
市民活動推進事業