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社会福祉法人 川崎いのちの電話 匿名の心の声を傾聴 

いのちの電話代表理事同の有田茂さん

「川崎いのちの電話」は1986年12月に開局したボランティアによる電話相談だ。相談員が24時間365日待機し、1日40件ほどの相談に応じている。

川崎に設立されたのは、当時、中高年の自殺者が多く、市長から電話相談の必要性を求められたことも一因となっている。現在活動中の相談員は約150人、60代前半を中心に女性が8割を占める。

相談内容は心や身体の不調から人生、家族まで多岐に渡り、一つとして同じものはない。ある女性の相談員は、「『私の気持ちをわかってくれた』という言葉がうれしかった」と話す。

このケースにはこう答えるといったマニュアルはない。毎月の勉強会などで相談員同士が意識共有をし、一つひとつの相談に向き合っている。

いのちの電話は、全国50カ所に点在しているが、どこも相談員が減少しているのが悩みだ。川崎では今月から始まる相談員募集に力を入れという。

同法人理事の有田茂さん(70)=写真=は、「新型コロナウイルス感染症の影響により、孤立や不安などで追い詰められる人たちも多い。自殺者の増加が懸念される中で、今後も必要な時に相談者に寄り添う体制を維持したい。」と話す。

事務局への問合せは044(722)7121。相談専用電話(24時間対応)044(733)4343。

2021年1月21日 神奈川新聞掲載 市民記者・渋澤和世

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