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NPO法人なかよしの花 家庭のような施設に

なかよしの家のみなさん

「NPO法人なかよしの花」(代表・甲田賢一)は、重度障害のある我が子のためにアットホームな施設を創りたいと望む家族と田園調布学園大学の支援者により、2017年7月に設立された。

家庭のような居場所、地域との連携を目指し奮闘したが、簡単ではなかった。家族や関係者の人脈を通じて土地や資金を工面。19年に川崎市宮前区初の重度障害者グループホーム「なかよしの家」の開所にこぎつけた。

20代の4人が生活するその家は、最新の介護機能を持ちながらも入り口の壁にはスタッフがチョークで季節のイラストを描き、木材の温かみに包まれた室内には暖かな日差しが入る。キッチンは対話しやすい対面方式を採用し、浴室も大人が数名寝ころべて、介助がしやすい広さ。随所にこだわりを感じる設計だ。

「この地域には重度心身障害者の向けグループホーム施設がなかった。ならば自分たちの手でつくろうと思った。他人に委ねることに葛藤があったが、スタッフとの信頼関係もできた。ご縁で夢が一歩前進した」と、母親の松澤美也さん(56)と安齊悦子さん(55)は顔を見合わせる。

「コロナ禍の昨年は、手作り小物や野菜販売の場を作り、地域の方が遊びにきてくれました。今後も地域と共に成長し、催事などに協力していきたい。」と所長の小林貴大さん(34)=は抱負を語る。 

(2021年5月13日 神奈川新聞掲載 市民記者・渋澤和世)

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