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川崎地名研究会 昔今つなぐ道しるべ
地名は土地を識別するだけではなく、その土地の歴史が刻まれているという。川崎地名研究会(川崎市高津区)は、地名を通して地域の自然や歴史文化を正しく伝えようと1983年に発足した。
「川崎の地名の由来は多摩川を前にする地域という意味で、川前(さき)が語源で、後に文字の表記を変えられて川崎になったと考えています」と菊地恒雄会長(77)=写真右=は語る。
会員は60代から80代の40人。勉強会、街歩き、研究発表会などを行う。「この道路の下には川が流れている」「川崎の人から見れば府中街道でも府中の人から見れば川崎街道」など、街歩きの参加者にはいつも新たな発見があるという。
2019年には、調査結果をまとめ、川崎南部の「地名とくらし」企画展を東海道かわさき宿交流館(同市川崎区)で開催した。「暗渠(あんきょ)となった川跡に残る橋の名前」「消えた町名」などのパネルを展示し、冊子も作成した。
「町名、地名の由来を学ぶことは、住む町を大切にすることにつながります」と会長。今後は、同研究会が所属する日本地名研究所(同市高津区)が市域の詳細な地名調査を行い1991年に発刊した「川崎の町名」の改訂作業を手伝う。新たにわかったことや町の変貌などを加筆し、2024年6月の刊行を目指す。連絡は☎044(812)1106(日本地名研究所内)。
(2021年11月4日 神奈川新聞掲載 市民記者・吉川サナエ)