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CoE 湯気の向こうの笑顔
CoE(コエ)は、川崎駅東口周辺のホームレスを支援する団体だ。代表は大学4年濱野怜さん(22)=写真右。2022年1月から同世代の4人で活動している。団体名は共存という英語から取った。
川崎市の目視調査によると、市内のホームレスは同年4月時点で161人。うち88人が川崎駅のある川崎区の河川敷や公園、路上などで生活している。
濱野さんたちがその場所へ足を運ぶのは、毎週木曜日の夜だ。炊飯器とポットなどをアルミ製のリヤカーに積み、「こんばんは」と声をかけながら4時間ほどをかけて約25人を訪ね歩く。
返事があると、湯気の上がる温かい玄米おむすびをその場で握り、ポットのお湯で作ったみそ汁を渡す。「うまい」と笑顔で頬張る路上生活者との会話が弾み、社会復帰へとつながることもあるという。活動を知った支援者の差し入れも増えてきた。
貧困問題に関心がある濱野さんだが、川崎駅で21年秋、目の前で倒れたホームレスの女性を見て見ぬふりをしたことがあった。すぐに介抱したホームレスの男性が発した「目の前で困っている人を助けられないのか」という言葉が支援活動へと突き動かした。
「活動を格好よく見せて、まちの人々を巻き込んでホームレス問題を解決する」。それが濱野さんの目標だ。
連絡はメール(rei.hamano2000@gmail.com)で。
(2023年2月9日 神奈川新聞掲載 市民記者・清水まゆみ)