審査委員会  委員講評

○小林俊子委員長（スタートアップ・ステップアップ30助成担当）

地域の課題に対して多くの人たちが悩み苦しみ、生活に困難な状況を体験したり、見聞きしたりして、支援をしなければいけないという使命感にあふれて事業を行っている団体にはエールを送りたい。ただ、この助成金の原資は税金が賄われている。その税金が、市民が納得するような使途に使われているかというところが、審査委員会として大きな責任となっている。
また、事業の発展と団体は両輪であるということを忘れずに、事業を遂行しながら、団体もステップアップされて次の段階に進めるよう臨んでほしい。
ぜひとも一人ひとりが仲間を増やし、地域の活性化に結び付けてほしい。

○庄嶋孝広副委員長（ステップアップ100・200助成担当）

誰もが地域に関わりやすい時期は、子どものとき、子育て期間中、シニア以降の３つだと思う。その中でも、子育てというタイミングを生かして、同じような課題を抱えた仲間同士が集い、活動を生み出すことは大事なこと。また、それが入り口となり、子育てが終わった後も、そこで培った人脈を生かして、さらに地域に関わりを持ち続けると、本当に持続可能な地域社会になっていくと思う。
また、助成金は一定の期限があるので、その間に何を蓄積するのか―ノウハウでも、評価でも、人脈・ネットワークでも―を意識していってほしい。

○山岡雄己副委員長（ステップアップ100・200助成担当）

審査基準のひとつである「事業実施の実務能力」の配点が15点と高いのは、具体的な課題に対して、どう対処していくのかという事業計画が必要ということ。市民活動はマンパワーが限られているので、活動の中で優先順位をつけながら、3年間で何をどのレベルまで持っていくのか、そしてどのように自立し成長していくのかを考えてほしい。自立するためには、当然、事業自体の収益性が必要だし、加えて事業を広げていくという成長の目を持つことも重要。
活動そのものも大事だが、団体の課題を解決し、組織として成長していくことにもエネルギーを注ぎ、団体を長く継続させていただければと思う。