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U50   第4回 鈴木 英智佳さん

アンダー50として、2018年から2024年3月まで、
50才未満の若手市民活動家へインタビューを重ねてきました。
「活動を始めたきっかけや思い」など、
62名それぞれの軌跡が
多くの方々へのエールになるよう願っています。

鈴木 英智佳 さんプロフィール

第4回 鈴木 英智佳(すずき ひでちか)さん
一般社団法人 日本だじゃれ活用協会 代表理事 川崎市高津区在住

団体名がユニークですね

最初は単に「日本だじゃれ協会」と考えたのですが、だじゃれを使って世の中に何をもたらすかがより大事だなと思い、「日本だじゃれ活用協会」にしました。
協会ホームページのドメイン名は「dajare-zukai.jp」となっています。「だじゃれ使い」と「図解」の2つの意味を掛けています。「図解」については、だじゃれを1つのスキルとして捉え、誰でもだじゃれが言えるようになるノウハウを提供することを意図しています。この辺りは、前職である研修会社で研修プログラムを作ったり、研修講師として登場してきた経験が大いに役立っています。協会の定番ワークショップである「ダジャーレde(で)ござ~る」では、3時間のセミナー中にだじゃれ力がアップしなければ、参加費をお返しする「完全返金保証制度」を設けています。正直、あまり“儲け”になっていないのですが(笑)。

この活動のきっかけは

自分の子ども時代の経験が大きいです。父の仕事の関係で、アメリカで幼稚園時代を過ごし、小学校は日本国内を3回転校しました。実家もケンカが絶えずイライラピリピリ、元々シャイな性格だったので、学校でもうまく溶け込めない幼少期を過ごしました。社会人になってもみんな黙々とパソコンに向かって仕事をして、シーンと静まり返っているオフィスの雰囲気に違和感がありました。そうした経験の積み重ねにだじゃれ活用の原点があります。
 だじゃれには、人との関係をなごませ場の空気を明るくさせる力があります。作りだしたい世界観を知人のデザイナーにお願いして、虹の絵でデザインしてもらい、ロゴマークとして使っています。雨が降った後にパッと光が差し込んできて空にかかる虹が、私のだじゃれ活用のイメージです。

会の沿革は

2013年に初の「ダジャーレdeござ~る」を開き、その一年後に一般社団法人として協会を発足させました。最初は協会を作る発想はなかったのですが、活動を続けていくうちにどんどん仲間が増えて、『爆笑する組織~会社を強くするだじゃれ仕事術~』(自由国民社)という本を出版したのもきっかけです。その後は、小学校のお子さんとその親御さんを対象とした「親子だじゃれ教室」、小学校へ出張しての「だじゃれの授業」、学童保育での「だじゃれの時間」、高齢者向けの「だじゃれde脳トレ」、「だじゃれ年賀状」や「夫婦円満だじゃれ五訓」といったグッズ販売など、活動が次々と拡大しています。また、一般社団法人にしたことで、新聞・テレビ・ラジオなどたくさんのメディアからも取材をいただくことができました。

コアな実働部隊ができて

協会を立ち上げてから数年は「ダジャレンジャー」と呼んでいる10人のコアメンバーが協会の活動を支えてくれました。ダジャレンジャーが、基礎固めをしてくれたおかげで今があり、最近では24人(2018年5月現在)の「ダジャレテラー」が躍動しています。ダジャレテラーは、2日間の「ダジャーレdeござ~る!ファシリテーター養成講座」を修了した、協会の認定ファシリテーターです。ダジャレテラーは、北は北海道から南は福岡まで点在していてだじゃれで全国を“ファシリ”回っています(笑)。かわさき市民活動センターで開いたワークショップも、ダジャレテラーのみんなに進行をお任せして、私は後ろで見守っていました。
 協会の活動に関わるメンバーは普段の仕事もバラバラで、全国に散っているので一堂に介して話をするのはかなり困難です。その代替手段として、Zoomというオンラインツールを使って2ヶ月に1度「ダジャラーの語りBAR」を開いています。それぞれ、お酒を片手に近況報告やだじゃれをネタに話をするのですが、終始笑いが絶えず楽しいです。理事の一人が広島在住ということもあり、理事3人による会議も毎月Zoomで開いてますが、さすがにこのときは、だじゃれは控えめです。連発すると会議が進まなくなってしまうので(笑)。
 ダジャレテラーのみんなには、「だじゃれ愛」があれば「だじゃれ力」は必要ないと伝えています。それでもFacebook上で機転の利いただじゃれコメント」が返ってきたり、街中で見かけただじゃれ商品やだじゃれ広告の写真をアップしてくるメンバーがいます。日々、だじゃれアンテナを張っていることで、みんなのだじゃれ力にもさらに磨きがかかっているように思います。

イベント開催の様子は

半年に一回開催している「親子だじゃれ教室」では、「だじゃれストラックアウト」「だじゃれ川柳」などの4つのゲームで言葉遊びを一緒に楽しみますが、子どもたちの「できたあー!」という顔を見るのがとても嬉しいです。
親子だじゃれ教室はリピーターも多く、回を重ねるごとに子どもたちの「語彙力」が上がっていて、ス“ゴイ”なと感じています(笑)。リピーターの子には参加するたびに色違いのオリジナル缶バッジをプレゼントしているのですが、これが子どもたちに大人気です。

最近、特に盛り上がっているのが、わくわくプラザへの出張イベント「だじゃれの時間」です。去年の夏、かわさき市民活動助成金を活用して作ったチラシを配布したところ、川崎市の26か所のわくわくプラザから依頼がありました。さすがに全てを回りきれなかったので、今年も夏休み期間などを利用して継続的に回ろうとしています。本業もあって諸々のスケジュール調整が大変ですが、子どもたちの笑顔にはたくさんのエネルギーがもらえるのでダジャレテラーにも協力してもらいながら、一人でも多くの子どもたちにだじゃれを使った言葉遊びを楽しんでもらいたいと思っています。
活動が広がって、関わるメンバーも増えることで、どうしても自分に調整作業が集中してしまうのが最近の悩みの一つです。それでも去年から、かわさき市民活動センターにブースを借りることができて、協会のグッズを置いたり、メンバーにも対応の一部を手伝ってもらえるようになったり、だいぶ楽になりました。

これからの活動の方向性は

わくわくプラザ向けの「だじゃれの時間」に続いて、小学校向けの「だじゃれの授業」を広げていきたいと思っています。実は今、小学校3年生の教科書に「だじゃれ」が出てくるのです。すでに娘の小学校をはじめ、川崎市内の複数の小学校で「だじゃれの授業」を実施していますが、全国の小学生にだじゃれを使って言葉で表現することの楽しさを体感してもらいたいと思っています。
長期的には、だじゃれでメシを食えたらシ“メシ”メですね(笑)。
現在、小学生向けの「うんこドリル」が爆発的に売れていますが、それに対抗して「だじゃれ漢字ドリル」を編みだしたら面白いかなと。また、「だじゃれを考えることは脳のトレーニングになる」ことが科学的にも実証されているので、「“笑止”(しょうし)高齢化は止めなしゃれ」ということで、高齢者の認知症予防の一環として、だじゃれを活用したワークショップも普及させていきたいです。
今年も8月には「親子だじゃれ教室」を予定しているので、小学生のお子さんがいらっしゃるご家族のご参加をぜひ、お待ちしております。

最後にメッセージを

だじゃれの活動を通して、「本を書きたい」「モノ作りをしたい」「子どもの教育に関わりたい」といった、自分の夢を実現させてくることができました。
あいだみつをさんの「夢はでっかく、根はふかく」という言葉が好きなのですが、信念を持って進んできたからこそ実現できたのだと思います。
 自分の活動には、家族の支えもありました。2人の娘もだんだん大きくなってさすがに最近は遠のきつつありますが、小さい頃はイベントに一緒に参加してくれたり、スタッフの一員として運営を手伝ってくれました。妻は、家で冷静かつ客観的に聞いてくれて、その反応が自分にとってのバロメーターになっています。タイミングが悪いときにだじゃれを言うと、「今はそんな気分じゃない」とよくとがめられますが(笑)。
自分が掲載されたある新聞に「笑い“はライ”フワーク」と紹介していただいたことがあるのですが、このフレーズがとても気に入ってます。この言葉をモットーに、仕事とだじゃれと家庭のバランスを取りながら、これから“もっとー”だじゃれの活動を大きく深く広げていきたいですね(笑)。

お問い合わせ

だじゃれ活用ホームページ
https://www.dajare-zukai.jp
E-Mail
info@dajare-zukai.jp
Facebook
mothersbeambitious@gmail.com

【夏の思い出!】第12回“親子だじゃれ教室”
2018年8月26日(日)10:00-12:30(9:40会場予定)
かわさき市民活動センター会議室(武蔵小杉)
https://www.dajare-zukai.jp/event/detail/98

【だじゃらー判定テスト】
https://www.dajare-zukai.jp/hantei/

次回のエースは山本詩野さんです。

山本詩野さんへ一言

楽しみながら減災・防災を学ぶ活動に取り組んでいらっしゃる「溝の口減災ガールズ」代表の山本詩野さんです。つい先日、ご主人と立ち上げたクラウドファンディングを活用して、熊本地震での支援活動をきっかけとした『おいしいミニ炊き出しレシピブック』を刊行されました。「防災訓練」という一見地味な活動なのに、山本夫妻が企画するイベントはとても楽しそうでたくさんの人で溢れています。その輪の中で、可憐な花のような笑顔がいつも素敵な詩野さん。「楽しみ」から多くの方を巻き込んでいる取り組みを多くの方に知っていただきたいです!

平成30年5月16日取材 レポーター 町田香子

バトンを受け継いで 鈴木 英智佳 さんへ一言

「下手なシャレはやめなシャレ」程度で思考が止まっているわたくしですが、英智佳さんの「だじゃれが世界を救う」という素晴らしい使命にはものすごく共感しております。小さいうちからこのセンスを知った子たちが大人になったら未来は明るい!ますます、シャレただじゃれを広めてくださシャレ!

(C) 2022 公益財団法人かわさき市民活動センター 
市民活動推進事業